クロスモダリティって何だ?

情報管理LOGの@yoshinonです。
皆さんは、サントリーの透明なミルクティー飲んでみましたか?
あれは、なかなかにショッキングな体験ができるので、ぜひとも一度飲んでみることをお勧めしたいです。さて、そういう内容を某SNSに投稿したところ、「それは、クロスモダリティだよ!」と教えていただきました。
クロスモダリティ??
初めて聞く単語だったので、自分なりに調べてみました。調べると、なるほど面白い人間の認知の仕組みだなと思わされました。というわけで、今回は、あまり聞きなれない「クロスモダリティ」についてのお話しです。
【 クロスモダリティって何だ? 】 1.サントリーの透明なミルクティーを飲んでみた 2.こんな投稿もあったよ 3.クロスモダリティとは何か |

先日、CMとかでも宣伝しているサントリーの透明なミルクティーという飲み物を飲んでみました。
これですね。


もうすでに姉妹品として、透明な紅茶というのも販売されており、それも体験済みだったので何となく予想できていたのですが、それでも衝撃的な味でした。
透明なのに、ミルク特有のあの油分から生じる甘さのようなものを感じるのです。紅茶だったら、油分などはないので何となく脳みそも理解を示していたのですが、ミルクティーには残念ながら理解を示してくれませんでした。
ちなみに、マズイとかそういうのではなく、単に脳みその理解が追いついていないような感覚に陥ったのです。なので、味自体は普通にミルクティーでした。
その体験を某SNSに投稿したところ、色々と反響がありました。
・驚いたけど、美味しかった
・普通のミルクティーは、ダメだけどこれは大丈夫だった
・ちょっと受け入れられない
などなど。
なるほど、人によって随分千差万別なのだなと思い知らされました。
そう思っていたら、Twitterではこんな投稿がありました。
かおまるさんという方の投稿なのですが、確かに最近はヨーグリーナとか、色々透明な飲み物が多いので、飲み比べしてみたら面白そうですよね。
我が家で「効き透明ジュース選手権」を開催中。A〜Eのコップに少量ずつ入れて、香りと味で、何が入ってるか当てるゲーム。最初簡単じゃん?って言ってたけどやってみたら激むじー!オレンジかと思ったら桃だし、レモンティーかと思ったらヨーグリーナだし!!これやばい!楽しい!!気持ち悪い!! pic.twitter.com/DX6cOIZXkW
— かおまる (@ka0maru) 2017年10月1日
でも、この方の投稿のように、味がわからなくなるって面白いですね。
さて、最初のテーマに戻ってくるのですが、この透明なミルクティーを飲んだ感想を某SNSに投稿してみたら、「それは、クロスモダリティっていうんだよ」と丁寧に教えてくださった方がいました。
「クロスモダリティ」ってあまり聞きなれない言葉ですよね?
というわけで、調べてみました。
人間って常に様々なところから情報を受け取っていますよね。味覚や触覚や視覚など、いわゆる五感というやつです。外から常に情報が入ってきて、脳はそれを処理し続けています。こんな感じですね。

その時に脳の中では、全ての情報を等価かつ同時に処理していると思われていますが、どうやらそうではないようです。
私たちは、ミルクティーを認識するとき、匂いや焦げ茶色の見た目、そしてミルクの味をまとった紅茶、温度などを次々に五感というセンサーを通して、脳に別々のデータとして入力されていきます。

その時にそれらのデータを総合して、「ミルクティー」であると判断するのです。

しかし、この時に脳の中では、視覚情報を優先的に処理していくようになっています。しかも、脳は省力化のため、全ての情報を完全に処理しているのではなく、記憶と照らし合わせるなどして、処理量を減らす工夫をしているのです。そのため前述のTwitterの投稿のように、透明な飲み物を飲んだときに味を正確に認識できなくなってまうのです。記憶の中にストックされている透明な飲み物のイメージがもたらす味や香りと、今処理しようとしている感覚器から取り込まれた情報の齟齬が、脳の混乱をもたらすことをクロスモダリティ効果というのです。

だから、あの番組は本当は難しいのだ
クロスモダリティについて考えていたとき、そういえばあの芸能人が目隠しでワインのテイスティングや肉の味とかでどちらが高級か当てるという番組ってあったよな、と思い出したのです。
脳で一番優先される情報が遮断された状態である段階で正確な判断は難しい上、ワインだの肉だのという、そもそも見た目からも判断が難しいものの判断は、相当難易度が高いのです。
ちなみに、ソムリエの専門学校でのこの実験では、白ワイン赤ワインの判断さえ微妙になってくるのです。
被験者はソムリエの卵であり、ワインのテイスティング能力は訓練されている。彼らに赤ワインを飲ませれば、「ブラックベリーのような香り」「なめらかなタンニンを感じる」など、テイスティングで使われる表現が多く出現する。また白ワインを飲ませれば、当然、白ワインのテイスティングで使用される表現が多く出現する。
脳は味覚より視覚の情報を優先する 「クロスモダリティ効果」とは何か | 脳科学をビジネスに活かす|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー
これを確認したうえで、もう一度、同じワインでテイスティングの実験を行なう。ただし、今度は白ワインに赤い着色料を混ぜ、見た目は赤ワインと区別がつかないようにする。すると、赤ワインに見える白ワインの味を評価するときに、赤ワインのテイスティングで使用される表現が多く出現した。
と、考えると人のことは、一つも笑えないのです。
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