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バンドワゴン効果の凄さと恐ろしさ

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情報管理LOGの@yoshinonです。
今日は、認知バイアスの一つである「バンドワゴン効果」について考えていきたいと思います。これは、「私は、そんなバイアスに影響はされない!」と根拠無く自信を持っている人も含めて、誰しも陥る思考の罠なので、ぜひとも知っておくと、良いかと思います。
自戒の意味も込めて、記事を書いていきたいと思います。


  
【 バンドワゴン効果の凄さと恐ろしさ 】  

 1.「バンドワゴン効果」とは何か?

 2.現象を観察してみる

  3.「バンドワゴン効果」を観察する







checkmark.png 1.「バンドワゴン効果」とは何か?

まず、「バンドワゴン効果」とは何かということですが、Wikipediaがとても分かりやすくまとまっているので、そこから引用してみます。

バンドワゴン効果(バンドワゴンこうか、英: bandwagon effect)とは、ある選択肢を多数が選択している現象が、その選択肢を選択する者を更に増大させる効果。「バンドワゴン」とは行列先頭に居る楽隊車[1]であり「バンドワゴンに乗る」とは時流に乗る・多勢に与する・勝ち馬に乗る[2]という意味である。経済学・政治学・社会学などで遣われる。対義表現は「アンダードッグ効果」[3]。 バンドワゴン効果は「バンドワゴンの誤謬」(衆人に訴える論証)が成功したときに発生する効果である。

バンドワゴン効果 - Wikipedia


ものすごーく、大ざっぱな言い方をすると

勝ち馬に乗る

ということです。分かりやすいでしょ?

これは、認知バイアスの一つで、人が陥りやすい思考の罠のようなものです。認知バイアスに関しては、こちらで記事にしましたので、併せてお読みください。「バイアスって何?」という方も読むと分かると思います。

バイアスの種類について


ここで、いくつか思考実験をしてみたいと思います。

<Q1>
あなたは、ある学校のクラスにいます。今は、ホームルームをしています。ある企画を立てる算段をしているのですが、A君が言った意見に対して、B君、Cさんが「いいね!」と意見を述べました。B君、Cさんの意見に対して、他に5人ぐらいの人達が、相乗りする形で「お、それいいかも」と言いました。
A君の意見自体は微妙だったのですが、クラス全体的には他に意見も出ませんでした。最後に「A君の意見で良いですか?」と確認のための挙手を求められました。クラスのほとんどの人達が、手を上げたとき、あなたは手を上げずにいられますか?


<Q2>
あなたは、2つのWeb記事を読んでいます。どちらも両方面白く読みました。
しかし、片方ははてブ(はてなブックマーク)が、900以上ついた記事で、片方はまだ一つもはてブがついていない記事でした。さて、あなたがはてブをつける際、どちらの方が心理的障壁が少ないですか?


<Q3>
映画館に行きました。特に何を見るか決めていかずに行ったのですが、片方の映画は長い列が。片方の映画は、一人も並んでいませんでした。あなたは、どちらに並びますか?



どちらを選択すれば正解というものではありません。
しかし、どちらが選ばれやすいか?というのは、自ずと分かりますよね。「私は、天の邪鬼だから、あえて逆張りをするようにしているんだ。」というのも、実はバンドワゴン効果の裏返しに過ぎません。
そして、多くの人にとって、自分の意思は置いておいて、多数の人が支持するものを指示してしまいがちであるという点に注目して欲しいと思うのです。むしろ、自分の好みや意思とは関係なく、それを選んでしまいがちになってしまうというのが、「バンドワゴン効果」の怖いところなのです。




checkmark.png 2.現象を観察してみる

さて、では実際に実事例を見ていきましょう。
最近、(といっても1ヶ月ぐらい前ですが)非常に面白い事例を見つけたので、それを見ましょう。

世界はだんだんよくなっている
世界はだんだんよくなっている




世界はだんだんよくなっている
世界はだんだんよくなっている




ほぼ同数ぐらいのはてブがついているのが分かるかと思います。
実は、上の記事は、下の記事の再投稿バージョンなのです。全く同じ文面を上は、2019年4月14日に。そして、下の記事は、2010年1月14日に投稿されているのです。およそ9年のブランクを空けての再投稿ですね。

さて、ここで注目していただきたいのは、そのはてブのコメントです(通称:ブコメ)。全く同じ文面を記事であるにも関わらず、そのコメントの方向性が似てはいるものの、ほぼ真逆の方向性で笑ってしまいます。

2010年verトップコメ
”単に事実を並べただけのこのエントリに批判が多いのが面白い。みんな悲観するのが大好きなんだろうな。だからこそマスコミもそれに応えて悲観的な意見を述べるのだろう。”☆25

”ああ、まったくそうだね。恵まれてる。なのに、どうしてこんなに「私は不幸だ」と思ってる人が多いんだろうね。モノと自由はこんなに溢れているのに、どうして幸せを享受できないと感じる人が多いんだろうね。”☆19

”世の中が良くなってもいちばんダメなわたしはのこるの!”☆11

”世界がよくなってる分、俺みたいな能なしが日本人であるという理由だけで得られるものは、もうすぐ失われる。路上に投げ出される前に、文明や文化に少しでも触れてやろうとは思う。”☆11

”悲観主義者を含む多くの人間の闘争の成果の上澄みを啜りながら我が物顔で世界は良くなってるとか言う極めて恵まれた階級のクズ。今すぐ死ね。”☆10

””




2019年verトップコメ
”『ファクトフルネス』に、「世界は良くなってる」と「世界は悪い」は両立すると書いてある。世界はまちがいなく過去より良くなってる、そして未来よりも今のほうがまちがいなく悪い。”☆314

”あれ。これ増田で読んだぞ……と思ったら9年前のやつの再投稿。9年って……”☆123

”文明の恩恵を享受する時、その先に自分がその世界を持続可能にする為に何を生み出しているか、または何を生み出していないかを考えると、己の不甲斐なさに身悶えするよね。”☆79

”人類が営々と積み上げてきたものを一つ一つ数えてみよう、All or Nothing的な極論が一番問題解決から遠い、という真っ当な主張。”☆66

”9年前に書かれたのに今読んでも通用するように思うし、何年かしたらまた読み直したい。”☆63




そもそものスターの数自体規模が違いすぎるので、比較にならないじゃないという批判は甘んじてお受けいたします。
しかし、ブックマーク数自体は、大きくは変わりません。

ここではてブスターの構造に目を向けると、複数のスターがついたものが、「人気のコメント」というのに表示されます。そうすると何が起こるのかというと、人気のコメントに表示されたものほど、スターがつきやすくなるなるのです。そして、多くのスターが着いたものほど、上に表示されやすくなるので、さらにスターがつくというスパイラルが起こります。上の2つの記事についているはてブのコメントを丹念に読んでいくと、同じようなコメントも散見されます。しかし、人気のコメントに挙がらない限りは、多くのスターは獲得されず、同じような趣旨で片方の年代では、多くスターがついていたようなコメントであっても、もう片方の年代のコメントでは一つもついていないということが起こります。

ここから読み取れるのは、

早い時期に人気のコメントになった方のコメントにスターが集まる

ということです。その内容が、例え真逆の方向性であったとしても。



さらに、他の事例も見ていきましょう。事例だけは、ゴロゴロと転がっているので、事欠かないのです。

Pythonによる自動化の結果、ニューヨーク中でタダメシが食えるようになったエンジニアの話

この記事では、ニューヨークでエンジニアをしている人が、Instagramに投稿されるニューヨークの写真を機械学習によって、ウケる写真とコメント、そしハッシュタグを自動化して投稿することによって人気のインスタグラマーになったそうです。
※人の写真を使うことの是非はおいておいてね。

コメント欄はいつも同じような当たり障りのない事を、しかも何度も繰り返しているだけなのですが、多数のアカウントをフォローしている人は読んでないか、気にもしていないのかもしれません。「みんなが見てるよ。みんながイイネしてるよ」という状態が、さらに多くのイイネを呼び、それをプラットフォームが推薦することでさらに成長のスパイラルが加速していく、といったところでしょうか。

Pythonによる自動化の結果、ニューヨーク中でタダメシが食えるようになったエンジニアの話 | 秋元@サイボウズラボ・プログラマー・ブログ


みんなが、「イイネ」って言ってるから、私も「イイネ」ボタンを押す

ということなんですよね。
もはや、判断の主体性とはどこにあるのだろう?と思わずにはいられないのですが、では自分はそういうことを一切やっていないのかと言われたら、やっていないとは言えないのです。


さらに、もう一つ。

「箕輪本」という不毛の荒野
「箕輪本」という不毛の荒野




ここ数日、幻冬舎と津原泰水氏のニュースが、ここ最近賑わっているわけですが、そのニュースつながりということで。

その幻冬舎の社長の本で「読書という荒野」という本に付いていたレビューです。なぜか、消えていましたが…(なぜ??)。あえて本へのリンクは、貼りません。
そういうわけで、WebArchivesに残されていましたので、そこから引用します。

ここで語られているのは、要するにAmazonのカスタマーレビューを利用したベストセラー化するために行われているであろうことについて書いています。
信者に星5つの評価を短期間に大量につけてもらうと、売り上げランキングに反映されます。
さらに、SNSなどで拡散すると、それが話題作のように映るので、さらに売れる。
売れると、書店での扱いが大きくなるので、さらに売れるというスパイラルに入るという流れなのだそうです。

確かに最近、本屋さんに行くと「この本、そんなに良いかな?」という本が、アホみたいに大プッシュされ、平積みになっているのを見てうんざりということが多いので、あながち憶測とも言えません。

出版社も一種のスキームとして活用しているのでしょう。

みんなが、良いねと言ったから、私も「イイネ」と言ってみる

という実に不毛の荒野そのものですね。
この最初に星5つのレビューを書きまくるというのが、バンドワゴン効果を狙ったものだとしたら、人のバイアスを利用した姑息な手法だなと言えますよね。




checkmark.png 3.3.「バンドワゴン効果」を観察する

さて、バンドワゴン効果の実例について書いてきましたが、みなさんはこれから逃れるのは、かなり至難の技だなと思ったのではないかと思います。

なので、どうしてそのようなことが生じるのか、じっくりと観察してみたいと思います。
なぜ、人間の特性として勝ち馬に載りたがるのか?

AとBという選択肢があります。Aはたくさんの人が選択しており、逆にBは誰も選択していません。自分としては、AもBも同じぐらいに見える選択肢です。

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この時に生じる葛藤の中身は、

Aは、多くの人に選択されているのだから正しいに違いない

Bは、誰も選んでないのだから何らかのデメリットが存在するのかもしれない


と暗に思ってしまいます。
そして、万が一、Bを選んだ場合、その選択が間違いだったということが起これば、「やはり、多くが支持している方が、より正しい可能性が高い」という学習を積むことになります。

しかし、このバンドワゴン効果の問題点は、初期の段階の挙動だけが勝敗を喫する要因であり、もしもBの初期段階で同じように人が選択をしたら、今度はBが多くの人に選択されるということになるのですよね。

ここで、見るべきポイントは、実は選択肢を選んだ人達ではなく、「まだ選んでいない人」なのです。

集団X内にある選択肢AとBを見た場合、集団X規模に対して選ばれている選択肢Aの規模は、実はそれほど多くないことが分かります。つまり、一見その選択肢A・Bという限られた範囲の中では、Aの優位性があるように見えたとしても、集団X内においては、実は大きな違いと言える差ではないのです。

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ただし、集団X内において、初期状態がそうであったとしても、次第に差が大きくなってくると、別の集団心理が発生し、さらに差が開くということもあるということも付け加えておきます。

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集団心理的に大勢が喫した状態というのは、非常に抗いがたい状態になっており、そうなると選択肢Bの劣勢を覆すのは、極端に難しくなります。
こうなった場合は、別の心理的手法を使わないと難しいのですが、初期状態であるならば、選択肢AとBを選択している者と切り離して検討するということは、それほど難しくはありません。

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また、バンドワゴン効果を見極める手法として、どういう経過を辿っているか?を見ることです。特にAmazonのレビューなどは、初期レビュアーを見ることができます。あまりにも初期レビュアーが、一気に☆5つをつけ、さらに異様に高評価をつけているならば、サクラレビュアーの可能性が高いとみるべきです。

バンドワゴン効果が、特に初期状態において起こりやすく、大勢がつけばさらに加速するということを知っていると、見極めがつきやすいのではないでしょうか?「流行」と呼ばれる現象の初期状態もコレに近いと考えられます。

整理すると

・選択肢A・Bを選択している人をみるのではなく、その選択肢を選ぼうとしている、まだ選択していない集団Xを見る
・選択者の増加経緯を見る
・選択肢そのものを観察する


となるかな?と思います。
肝に銘じたいのは、

大多数が支持しているからといって必ずしも正しい選択とは限らない

ということですね。





 eyeglass2.png 情報管理LOGの眼
 集団心理は抗いがたいですよね

私たちは、常に集団心理に晒されています。仕事仲間とお昼ご飯を食べるときの選択肢ですら、そういう集団心理によって動かされているのです。まあ、お昼ご飯ごときは、どうでも良いですが、大切な選択をする場合は、そういう心理的な影響を受けていないか?ということについて自覚的になる必要があります。少なくとも知らず知らずに勝ち馬に乗る状態は、避けたいですね。そういう態度が、無自覚な加害者になる可能性を高めてしまうので。


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