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Chronium版Edgeは、Microsoftが仕掛けたカッコーの卵だと思う

2020年01月20日
考察 0
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情報管理LOGの@yoshinonです。
前回は、出たばかりのChronium版Edgeを使ってみたという記事を書きました。正直、あまり期待していなかったのですが、軽く良い意味で期待を裏切るデキでした。このあたりに関しては、記事を読んでいただくと分かると思います。

Chronium版Edgeを使ってみた

さて、まるで幼いヒナのように温かい目で見守りたい感じではありますが、これがどうしてなかなか凶悪なヒナのような気がしてなりません。
今回は、Chronium版Edgeが、Microsoftが仕掛けたカッコーの卵ではないか?ということについて書いていきます。
※トップ画の卵の写真は、「カッコーの卵じゃない!」と言われそう。たぶん、キツツキの卵です。絵面的に選んじゃったよ


  
【 Chronium版Edgeは、Microsoftが仕掛けたカッコーの卵だと思う 】  

 1.Chronium版Edgeとは?

 2.Chronium版Edgeに仕掛けられた爆弾

 3.Googleのオープン化戦略はどうなるか?








先日、登場したChronium版Edgeですが、みなさん使ってみましたか?
このChronium版Edgeとは、Microsoftが今まで独自に開発していたブラウザエンジンを辞め、Googleがオープンで開発&公開しているChroniumを使って新たに開発したブラウザです。2018年末にこれを公表したときは、なかなか衝撃を持って伝えられました。IE(Internet Explore)でブラウザ市場をほぼ独占的に占めていた時期もあったMicrosoftが、独自開発を諦め、Chromeに寄っていくというのですから。

Microsoft Edge: Making the web better through more open source collaboration


そのChronium版Edgeは、日本では確定申告の関係でWindowsのアップデートと併せて4月に持ち越しに…。ナニソレ。

新Edgeブラウザ、「確定申告の影響」で日本向け配信は4月以降に。ダウンロードは可能 - Engadget 日本版


とはいえ、Web上からダウンロードして普通に使えますので、インストールの仕方などは、こちらを参考にしてやってみてください。

Chronium版Edgeを使ってみた


ダウンロードは、こちらから。

Download New Microsoft Edge Browser | Microsoft

当初は、日本語化が必要だったようですが、私がダウンロードしたときは、自動的に日本語化されていました(←重要な情報だったよね)。

使い勝手としては、全くGoogleのChromeと遜色がなく、サクサクと動きます。拡張機能やブックマークなどもChromeからインポートできます。







Googleは、Chromeというブラウザでシェアを狙うために、Chroniumをオープンな開発にしました。さらに、GmailやGoogleカレンダー、GuiteなどGoogle関係のサービスと密着な関係を築けるChromeに人気がつき、IEのシェアをじわじわと奪い、そしてAndroid戦略によってモバイル市場で大当たり!そのお陰で一気にGoogle関係が市場を席巻しました。Androidもオープンな開発で進められ、基本的にはお金を取らないということで爆発的に採用数が伸びたという背景があります。Googleとしては、基本的に自分たちの広告などを中心とした利益につなげるために、ChromeやAndroidを積極的に開いてきた経緯があります。また、EUの独禁法にWindowsとIEの抱き合わせがアウトを食らったというのも、Chrome躍進の原動力になりました。

マイクロソフトと欧州委員会、IEバンドルの独禁法違反問題で和解


先ほどのグラフをもう一度見てみましょう。、

Microsoft Edge: Making the web better through more open source collaboration

2012年がまさに分岐点になっているのが分かりますね。



Safariが今もなおじわじわと伸ばしているのは、やはりiPhoneの恩恵がデカイということでしょう。
それと同じようにAndroidも2010年にNexus One、そして2012年にGalaxy、Motorolaに採用され、一気にシェアを伸ばしました。それと呼応するようにブラウザシェアも逆転していくのです。

しかし、ここに来て私は、Googleの戦略に陰りが見えてきていると思わざるを得ないのです。まさにGoogle自身が進めてきたオープン化戦略が、自身の首をじわじわと締め付けるのではないか?と思っています。
その一つが、Chronium版Edgeだと考えています。前回の記事でも書きましたが、Chronium版Edgeは、ほとんどChromeと変わらない性能を持ち合わせています。しかし、その中に毒針のように仕込まれた3つの機能があるのです。
それは、

・Microsoftアカウントで同期をすること
・Googleの広告をブロックすること
・デフォルトの検索エンジンがBingであること


です。

Chroniumは、Googleとの親和性の高さと安定性をウリにしてきました。しかし、ここにきてMicrosoftが仕掛けてきたのは、母屋を乗っ取る作戦に近いものでした。機能はほとんど変わらず、WindowsやOfficeとの相性を良くしていけば、今まで「「Googleで検索していたら、Chromeをインストールしろって言われたから~」というような感じでChromeを入れていたライトユーザーを中心に一気にChronium版Edgeに流れる可能性があるのです。しかも、Office365はWeb版との相性も非常に良いので、それと強引にブラウザをインストールさせる戦略に出たら、もしかしてもしかするのでは?と思っています。

さらに、ヤバいのがGoogleの儲けの屋台骨の一つである「広告」を封じに来ていることです。2番目の「Googleの広告をブロックすること」は、Googleのみならず、追跡系のものも軒並みブロックするという感じで(一番厳しめにするとね)、Googleお得意の広告やWebの追跡&動向調査が難しくなるのです。今は、Chromeがブラウザシェアの6割以上を押さえているので、まさにGoogleにとってかなりwin-winな状況ですが、シェアを落とし始めると一気に厳しい状況が待ち構えていそうな気がします。

Google、広告が好調で増収増益:「AIファースト企業に」(佐藤仁) - Yahoo!ニュース

そんな中で、最近上がってきたのが「Googleが、Chromeでサードパーティー製Cookieのサポートを2年以内に終了する」というニュースです。

Google、サードパーティー製CookieのChromeでのサポートを2年以内に終了へ

これは、つまりターゲッティング広告のような個人を判別するために使われてきた技術を撤廃してしまおうということです。
これって、前述の主張に反するのでは?と思われるかも知れませんが、他のターゲッティング広告会社を根絶やしにして、さらにGoogleの広告に集中させる意味では、有効な手段なのです。いわゆる強者の論理が通用する世界のうちにやってしまえば、さらに自分のところに集中させることができると踏んでいる可能性を否定できません。Googleは、検索や様々な場面で個人向けの動向を掴む術を持っている強みがあるからです。その一つに個人アカウントでログインするChromeもあると考えて良いかと思います。

そう考えると、Microsoftが仕掛けてきたChronium版Edgeは、まさに自分たちの巣に仕掛けられたカッコーの卵のような存在になるのではないかと思うのです。





この数年は、Googleも広告だけに収益を頼る構造から脱却しようと、Google HomeやらPixcelなどのハードウェア、企業向けクラウドサービスに本腰を入れています。
Googleの収益構造だけを考えれば、広告からの脱却を図ることは今のところ難しい状況ですが、徐々に広告の比率を下げていきたいと考えていたとしてもおかしくはありません。

Microsoftは、ソフトウェアの企業であったのに、Surfaceを始めとするハードウェアやクラウド事業にも力を入れています。Amazonは、いつの間にか倉庫やさんではなくなり、AWSを始めとするクラウドの会社になっていました。
そう考えると、Googleも違う形になっていくのも必然なのかも知れません。

では、Googleが展開しているAndroidやChroniumなどは、今後どうなっていくと考えられるでしょうか?

私は、

オープン化を維持しつつも、Googleサービスと不可分な形に強化する

と考えます。

HUAWEIは、Androidをベースに独自仕様でやると宣言していますが、実際のところGoogle Playが使えない状況では、まともに機能しないのではないかと思っています。アプリに依存するスマホでは、そこが最大のネックなので、そこを強化されれば(Google Play以外の野良アプリを排除するみたいな感じ)どんなにオープンであっても、とりあえずは安泰です。

同様にChromeにおいても、Chronium開発において、何らかの縛りを入れてくるか、またはGoogleのサービスを使用する際に、今後もさらにChromeを強引に進めてくる形にするかどちらかではないかと考えます。
少なくとも、カッコーの卵が、卵であるうちに対処しようとするのではないか?と考えています。




 eyeglass2.png 情報管理LOGの眼
 Microsoftはぬかりない

OS無料化戦略(ライセンス販売はしているけどね)を発表したときは度肝を抜かれましたが、今やそれがしっかりと軌道に乗り、ハードウェア戦略も大当たりし、さらにAzureも好調と着実に収益を増大させています。



一時期は、横ばい的な時期もありましたが、ナデラ氏がCEOになってからは、本当に見違えるように躍進していますよね。

変化を厭わず、さらに拡大していこうという姿は、GoogleもMicrosoftも(GAFAM全体がそうだけど)実に前向きだなと思います。日本企業もこのあたりの姿を多少なりとも見習ってくれたらと思うのですけどね…。


ゆうきまさみ氏の「白暮のクロニクル」は、なかなか面白いですよ。



アウトドア用品やスポーツ用品も安いの助かるね。



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