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情報は、園芸家のように〜エバーグリーンノートという考え方

2021年02月11日
考察 0
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情報管理LOGの@yoshinonです。
私たちは、今や日々多くの情報を浴びながら生活しています。情報管理LOGのシャワーなどというなまやましいものではなく、まさに洪水のような状態で日々生活していますよね。そして、一人ひとりが蓄積している情報量も膨大なものになっています。たぶん、この先も情報自体は減ることはなく、この状況を受け入れていくしか方法はなさそうです。
では、この状況に対して、私たちはどのように向き合っていけば良いのでしょうか?
今回は、この日々個人で蓄積しているデータとの向き合い方について考えていきたいと思います。


  
【 情報は、園芸家のように〜エバーグリーンノートという考え方 】  

 1.データ死蔵問題

 2.データ死蔵問題とどう向き合うべきか?

 3.エバーグリーンノートという考え方








私は、かれこれEvernoteを

年間使い続けています。ノート数は3万を超えています。

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以前、大規模な断捨離を行なったので、あのまま増え続けていたら、5万は超えていたような気もします。

さて、Evernoteもそうですが、皆さんも様々なサービスに情報を蓄積しているかと思います。それらの情報は、ちゃんと生かされていますか?
Evernoteユーザーの中でよく話題に上がるのが、 データの死蔵問題 です。

これは、日々情報が蓄積されるものの、そんほとんどは2度と日の目を見ないままEvernoteに埋蔵されていくことを指します。

集めるだけ集めておいて、それらはついぞ使われることもなく、どんどん時系列的に過去の地層へと埋もれていく現象です。そして、使われ活用されるのは、時系列の浅いゾーンにある情報だけになってしまうのです。
こんなようにね。

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これは、ある種ストック型サービスの全てが陥るジレンマだと思っています。Scrapboxにしても、WorFlowyにしても、最近話題のObsidianにしても、情報を蓄積し続ける限りは、そのジレンマからは逃れられないと考えています。とはいえ、ScrapboxやObsidianとかの最近の知的生産ツールは、そのあたり仕組みとしてよく考えられています。





例えば、Scrapboxは、キーワードをリンクさせることができます。[]で囲えば、自動的にリンクになり、リンク先も自動生成されます。その自動生成されたリンクに書き加えれば、内容が充実しますね。

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Scrapboxのヘルプなどは、その最たるものかと思います。同じリンクされているキーワードは、このように一覧で表示されていきます。そうすることで、データ死蔵問題に抗えるようになっています。

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とはいえ、Scrapboxにせよ、Obsidianにせよきちんとリンクを構築していく作業は必要になっていきます。もしも、それを怠れば、上で示したようなデータ死蔵問題がやってくるわけです。

21世紀の情報社会に生きる我々として、このデータ死蔵問題と向き合う方法としていくつか考えられます。以下に私が考える対処法を3つ挙げてみます。

1.情報量自体を断捨離して死蔵されないようデータ自体の量をコントロールする
2.結局、新しい情報を見ることが多いので、過去はあまり振り返らない
3.過去の情報にアクセスしやすいように、リンクやタグなどを整備し続ける



1.情報量自体を断捨離して死蔵されないようデータ自体の量をコントロールする
まずは、「断捨離」的解決方法ですね。
これは、私自身が以前思いきってやった方法です。Evernoteから1万ノートほどを削除しました。たぶん、必要ないだろうなと思うタグが付いているノートや、無駄にノート数を圧迫していたノートを削除しました。

まあ、やった直後はスッキリしたのは確かです。
しかし、後日やや後悔しました。自分が趣味で集めていた名刺デザインなども含まれていたのですが、「アレ見たいな」と思ったときにそこにないみたいな…。
いらないと思ったら、実は需要があったみたいなことが起こりがちかもしれないです。とはいえ、思い出しもしないノートが大半だったりするのも確かだったりするので、「いつか使うから~」というのは、整理術的にはダメダメな考え方ですよね。

しかし、「情報」の良さは、物理的な量がゼロであるのが利点であるはずなので、それ自体に断捨離をするのが良いのかどうなのか?は、きちんと考えてから行った方が良いかもしれないです。



2.結局、新しい情報を見ることが多いので、過去はあまり振り返らない
これは、1とやや似ているのですが、ぶっちゃけると参照する情報は、概ねここ最近の情報が大半ではないでしょうか?このあたりを突き詰めたのが、野口悠紀雄氏の超整理術だったりします。

「超」整理法1 押出しファイリング (中公文庫)
野口悠紀雄(著)

5つ星のうち4.1
713円


これは、情報との付き合い方に関して、非常に割り切った考え方と言えます。
使う情報のほとんどは、時系列的に上位数%に収まるであろうというのが、根本にある考え方です。確かに現実的に考えると、実にその通りです。この場合、むしろ積極的にデータの死蔵を認めていく感じになります。



3.過去の情報にアクセスしやすいように、リンクやタグなどを整備し続ける
これは、一番手間がかかる手段です。増え続けるデータに対して、常にリンクやタグを付けたり、アクセスしやすいように手を継続的に入れ続けるというやつです。当初は、それで良かったタグや分類なども、規模が拡大するにつれて通用しなくなったり、見直しが必要になったりします。そのため、タグを分割したり、分類自体を見直ししたり、リンク自体を貼り直したり、アクセス手段を考えたり等、それをどうするかと定期的に見直さなくてはいけません。





ここ最近、エバーグリーンノートという考え方が、海外発で盛り上がりつつあります。
ごりゅごcastで初めて知って、そこから海外のサイトを読んで…という流れで知っていきました。

Evergreen notes


ただし、本家で提唱されているEvergreen noteは、以下の4つについて提唱しています。

・Evergreen notes should be atomic
・Evergreen notes should be concept-oriented
・Evergreen notes should be densely linked
・Prefer associative ontologies to hierarchical taxonomies


詳細に関しては、上記リンクを辿って読み進めるのが、理解が早いかと思います。
日本語で書いてあるのが、ものすごく少ないので、倉下氏の記事がまとまっていますね。

Evergreen notesについて/仕事を選ぶこと/いかに文化は生まれ、残っていくのか|倉下忠憲|note


このエバーグリーンノートは、デジタル時代のメモや情報をどう取っていくべきか?どのように育て上げていくべきか?について論じたものです。

私なりのザックリとした理解としては、

・1つのトピックの内容は1つに絞るべき(atomic)
・その人の受け取った情報の印象や考えを書くべき(concept-oriented)
・様々なアイデアや考えとリンクできるようにしていくべき(densely linke)
・そして、そのリンクは有機的なつながりを生むように配慮すべき


となりました(様々な概念や考えと結びついて総合的に理解したとは言いがたいです)。しかし、ここから汲み取れるのは、キャプチャーしっぱなし、クリップしっぱなしではダメだということです。

私たち(と主語を大きくしてしまいますが)は、デジタルの世界に急速に移行しました。だから、情報との付き合い方に関しては、まさに現在進行形であっても模索段階にあると言って良いと思います。

 ・簡単にキャプチャーできるようになった
 ・簡単にWebをクリップできるようになった
 ・簡単にデータを生み出せるようになった
 ・簡単に検索できるようになった

ことによって、超大容量のデータを自分の懐に抱えるようになったのです。
これは、人類の歴史の中でも初の出来事なのですから、その扱いに困惑したり、試行錯誤が行われることは、至極もっともなことではないでしょうか。

そのための一つの解決手段として出てきたのが、エバーグリーンノート(Evergreen notes)という考え方です。

この本家サイトや関連リンクなども読んで欲しいのですが、まさに情報の園芸家のように常に手を入れ続け、エバーグリーンにしていくことを目指していくことが求められているのです。

タブを入れたり、見直したり、時には削除したり、見返したりと、一流の園芸家のように細やかに情報を育て上げていく態度が求められていくのかもしれません。

もしかしたら、今後この手のツールが開発されていくのかもしれませんが、それでもなお、自分の手と目を使って手を入れていく重要性は、失われないような気もします。




eyeglass2.png 情報管理LOGの眼
 情報の園芸家

エバーグリーンノートの考え方に触れ、園芸家のように情報を育む(「育てる」とは違うような)姿は、一周回ってツールから人の手に戻ってきたような気もします。少なくともラクをして手に入る知識や知恵がないように、情報を活かしていくためには、それに手を入れ続けていく必要があるというのは、とても腑に落ちた感じがします。




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