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電子書籍は今後どうなっていくのか?

2021年02月23日
考察 0
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情報管理LOGの@yoshinonです。
先日、読書ノートについての記事を書きました。さらに、昨日、以前に書いた電子書籍に対する提言記事にコメントが付いたので、久しぶりに電子書籍について思いを馳せてみました。
徐々に電子書籍市場が大きくなる中で、新しい技術や考え方が出てきたり、それでも変化しない部分があったりするので、そのあたりについて思うところを書いていきたいと思います。

【関連記事】
電子書籍の不満と解決への提言
ここ最近の読書ノートの取り方について



  
【 電子書籍は今後どうなっていくのか? 】  

 1.拡大していく電子書籍市場を俯瞰する

 2.BOOK☆WALKERの挑戦

 3.ブロックチェーンによるDRM電子書籍の可能性








まずは、電子書籍市場の規模を確認していきたいと思います。
ずっと一貫して電子書籍は拡大し続けています。


※画像引用:電子書籍ビジネス調査報告書2020 | インプレス総合研究所


紙媒体も含めた市場規模はこんな感じ。
紙媒体の雑誌は、まさに右肩下がりな状況であるのに対して、書籍市場全体で見てみると、電子書籍が全体の底上げを図っているという状況が見られます。特に電子コミックの市場拡大の規模は、かなりの速度感がありますね。


※グラフ引用:2020年紙+電子出版市場は1兆6168億円で2年連続プラス成長 ~ 出版科学研究所調べ | HON.jp News Blog


この10年ぐらい、ずっと出版不況と言われ、市場規模時代が徐々に下がっていた状況から、昨年ぐらいを境にトータルで見た市場規模がプラスに転じたのは、エポックメイキングな出来事だったのではないでしょうか?
紙の雑誌が、ものすごい速度で縮小していくのに対して、電子コミックのどれだけ盛り上がれるかが問われているような状況とも見えます。書籍だけに限ってみるならば、紙優位な状況が続いていますね。まだ1/10以下な状況では、電子書籍への転換が図れているとは言えない状況です。


※画像引用:2020年上半期(1~6月期)の出版市場を発表|公益社団法人 全国出版協会・出版科学研究所


世界との比較に関しては、あまり新しい資料を見つけられなかったのですが、総務省の平成28年度情報通信白書にデータがあったので、それを参照してみます。


※画像引用:総務省|平成28年版 情報通信白書|各種ICTサービスの利用率

アメリカ52%、イギリス46%、韓国53%。そして、驚くことに中国の83%が目を惹きます。中国の急速なデジタルシフトが良く現れた数字ではないでしょうか?

概観してみると、

・世界的に見れば、電子書籍へのシフトはかなり進んでいる
・特に中国の伸びはスゴイ
・日本は、徐々に電子書籍にシフトしているが、紙の市場の縮小に合わせて拡大させているように見える
・紙の雑誌は、かなり厳しい


となりますね。





さて、ここからここ最近の電子書籍界隈の動向について書いていきます。
まずは、BOOK☆WALKERの取り組みからです。

私は、以前から電子書籍の総合本棚について提言していました。

電子書籍の不満と解決への提言


これは、各社がそれぞれ購入した電子書籍を管理している状態から、どこで購入しても1つの本棚で管理できるようにして欲しいというものでした。上の記事では、総合本棚をタップしたら、それぞれの電書籍アプリが起動すれば良いという提言です。イメージとしては、こんな感じ。




それをある意味実現しつつあるのが、BOOK☆WALKERの取り組みなのです。

デジタルでも本棚を眺めてニヤニヤしたい! BOOK☆WALKERの本棚リニューアルについて開発担当者に話を伺った | HON.jp News Blog

Kindleの本やTwitterのリンクを本棚に追加する方法 | BOOK☆WALKER


KindleやTwitterコミックなども、自分の本棚に並べることができ、それらを閲覧するときは、それぞれのアプリが立ち上がるという仕様も私の以前の提言そのままです。
惜しむらくは、Kindleで購入したら、自動で登録とか仕組み化が、まだ図られていないのが残念なところです。しかし、偉大な一歩であると思うのですよね。世界的に見ても、同じ要望を持っている人は多いはずなので、世界展開なども図っていければ、電子書籍市場における日本のプレゼンスが上がるハズなんですけどね。

そして、さらにもう一歩進めるならば、こちらで提言したように電子書籍の「購入」「本棚」「閲覧アプリ」の分離化を業界全体で進めて欲しいですね。

電子書籍の所有と閲覧について考えてみた




これによって、今の紙の本のように、どこで買ってきても本棚に収めることができ、さらに自分にとって使いやすい閲覧アプリを使用できるというメリットが発生します。特に閲覧アプリの分離化は、次の段階で進めていただきたいポイントです。
電子書籍サービスも閲覧アプリをサードパーティーに開放することで、開発に力を注がなくて良くなったりとメリットも大きいハズなんですけどね。





この数年で、電子書籍関係で最も感銘を受けたのが、鷹野凌 氏(@ryou_takano)が提起していたソーシャルDRMですね。

この記事は、2019年のですが、非常に示唆に富む記事です。

電子書店のサービス終了で本が読めなくなるのは、電子書籍のフォーマットが統一されていないことが原因ではなく、デジタル著作権管理(DRM)の問題だ。


そして、その一連のツィート。




それが、ようやく徐々に現れつつあるというのが、現状です。

ブロックチェーン技術を活用した電子書籍コンテンツ販売に関する取り組みを幻冬舎とBlockBaseが開始 | あたらしい経済
電子書籍を古本として売れる?NFTをブロックチェーンで管理、二次流通市場の創出へ──Gaudiyなどが実証実験 | coindesk JAPAN | コインデスク・ジャパン
ブロックチェーン技術で出版ビジネスにもさらなる変革が? ~【鷹野凌のデジタル出版最前線】


Bitcoinなどに利用されているブロックチェーンの技術を電子書籍のDRMに適用することで、本当の意味でユーザーが電子書籍を購入できるようになるのです。というのも、すでにご存じだと思いますが、電子書籍は電子書籍自体を購入したのではなく、閲覧できる権利を購入したに過ぎない問題があるのです。しかし、ブロックチェーンによるDRM電子書籍が普及すれば、閲覧の権利などという回りくどいやり方をせずとも良くなっていくはずなんですよね。

私たちはいつになったら電子書籍を"買う"ことができるのか|inuro|note


さらに、これによって、電子書籍の中古市場というのも形成可能になってくる上に、紙の書籍ではできなかった、中古市場での利益の還元が可能になってくるのです。著者や出版社にとってもメリットが大きいと思うのですよね。そして、これに関しては、黒船がやってくるのを待つのではなく、日本が仕掛けていっても良いのではないか?と本気で思っています。




 eyeglass2.png 情報管理LOGの眼
 Kindleという巨人を動かすことができるか?

色々良い取り組みであっても、世界市場的にはKindleという巨人を動かすことができなければ、結果的には何も動かないに等しいのですよね。日本の電子書籍コミックの現状は、世界的に見てもかなり特殊(Kindle一強ではない)な状況と言えるのですが、これと同じことを世界レベルで展開できれば、もしかしたら一強を崩しつつ、新しい地平を切り開くことも可能なのではないか?と思っています。。


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